「借地を更地にして、返してくれ」と地主に要求され、お悩みではありませんか?

今回は、借地を利用し続けたいけど
地主に借地の返還を求められて
しまったときに

どのように対応したらいいか
についてお伝えします

(※借地人から借地返還を申し出るなら
こちら→「借地返還の費用どっちが負担!?
借地人の権利!建物買取請求権とは・・・」

借地は、地主にとって地代を
安定的に得られるという
メリットがありますが

「自分の土地なのに自由に使えない」

「いつになっても土地を返してもらえない」

など

借地に対して強く不満を感じて
いることはよくあります

そのため、地主が土地を
返してもらえる機会を

うかがっていることは
珍しいことではありません

私達、沖縄支店にも

「地主から、借地を更地にして返してくれよ。」

と言われて、困っている借地人さんから
相談を受けることがあります

このような揉め事は契約更新時に
発生することが多く

借地人さんは、地主に要求されたら
応じるしかないと悩まれている方が
よくいます

借地上に建物がある限り、地主の要求に応じる必要はありません

民法上の原則では、賃貸借契約にて契約期間が満了すると
賃貸借契約は終了し、賃借物を賃貸人に
返す必要がありますが

借地契約では、借地上に生活や営業のために
利用している建て物があれば、借地権は
更新できることになっています

そのため借地人さんは地主から借地権の返還を
要求されても拒否する権利があるのです

また、現在、借地の契約には「新法普通借地法」と
「旧法借地権」があるのですが

今回は、ここ沖縄でも多く残っている

「新法」が施行された、平成4年8月1日以前に成立した、
「旧借地法」による契約についてご説明します

契約満了時期に地主に更新を拒絶されても、焦る必要はありません

地主に更新を拒絶されても
焦る必要がない理由としては

「旧借地法」で借地人さんは、契約の更新についても
一定の保護を受けらるということがあります

借地上に建物がある場合には、借地人が契約の
更新を請求したときは借地契約が更新されます
(更新請求による更新)

そして、借地人が更新の請求をしなかった場合でも
借地上に建物があり、期間満了後

借地人が土地の使用を続けていれば
自動的に更新されます
(法定更新)

そのため借地人は、地主から更新を拒絶され

「借地を更地にして返して欲しい」

と言われても、その要求を
断ることができるのです

しかし…

そのような権利にも
例外があります

地主の更新拒絶が認められる「正当事由」とは

地主が更新を拒絶する場合

地主の更新拒絶に正当事由が認められると
借地人さんは更新することが
できなくなってしまうのです

この場合は、期間満了により
契約を終了させ

借地を更地にして明渡しを求められる
可能性が出てきます

正当事由の判断としては

「地主が土地を使用する事情」

「賃借人が土地の使用を必要とする事情」

などを比較して、どちらの方の
必要性が高いのか判断されます

例えば…

・地主
この土地意外に利用できる不動産を
所有していない

・借地人
不動産を、この借地意外にも
複数所有している

→このような場合は、地主の主張の方が
優先される可能性がある

また、お互いの事情などで、判断が付かない場合は

・賃料の滞納が無かったか

・無断での増改築はなかったか

・建物の老朽化具合

などが補助的な判断材料として
あげられることになります

最後に

借地人は、基本的には「旧借地法」で
権利を守られていますが

それを知らずに「地主の要求は断れない」と
悩んでいる借地人さんもよくいます

しかし、借地人さんにとって利用している
建物は大切な財産です

「地主に言われたから」と諦めずに
まずは情報を集めましょう

また、守られた権利だからといっても
油断は禁物です

賃料を滞納したり、無断の増改築などの
不信行為などがあれば、その財産を
失う可能性が出てきます

くれぐれも気をつけましょう

(※借地人から借地返還を申し出るなら
こちら→「借地返還の費用どっちが負担!?
借地人の権利!建物買取請求権とは・・・」