借地権付き住宅の購入の際、知っておくべきこと

「借地権の住宅は、相場よりも安く出ているけど
普通の不動産と何が違うんですか?」

というご質問を頂くことがありますが

今回は、そのようなご質問に対して
借地権の持つメリット、デメリット
についてお伝え致します

また、現在借地を利用している
借地人さんも

自分が利用している借地権とは
どんな権利なのか

この機会に、再確認してみては
いかがでしょうか

借地権とはどんな権利

借地権には「旧法借地権」「普通借地権」
「定期借地権」の3種類があり

それぞれ法律で権利の
内容が決まっています

◇旧法借地権
旧法借地権とは、平成4年に成立した
「借地借家法(新法)」以前の

「借地法」という古い法律をベースとした
借地権のことをいいます

大正10年、戦争に出ている家主の
家族を保護する目的で「借地法」が
制定されたといわれており

基本的には半永久的に土地を
借り続けることができます

また、旧法借地権では存続期間を
決めていない場合

老朽化が進んだことで
建物が朽廃し

人が住めない建物になると
借地権は消滅することが
あります

この旧法は今は、廃止になりましたが
旧法時代からの借地人が不利に
ならないようにということで

旧「借地法」の契約が多く
存在しています

・契約期間
旧法借地権の存続期間は建物の
構造によって異なります

石造りの様な堅固な建物
30年以上(契約期間)

木造の様に堅固でない建物
20年以上(契約期間)

※契約上で期間を定めていない場合
堅固な建物  :60年
堅固でない建物:30年

◇普通借地権
普通借地権は、平成4年8月に新たに
制定された「借地借家法(新法)」で
定められた借地権の一つです

契約更新を前提としている借地権で
契約期間終了のときに

借地人から契約更新の申請が
あった場合

地主は、正当な理由がなければ
契約更新を断ることはできません

しかし、以前の旧法借地権では、
借主側の権利が強かったのに対して

新法では、地主側の都合でも
契約を解除できる規定が
設けられています

・契約期間
普通借地権、最初の
契約期間は30年以上

更新1回目:更新20年
更新2回目:更新10年

※普通借地権の場合は
旧法借地権のような

建物の構造による契約期間の
区別はありません

◇定期借地権
定期借地権も不調借地権と
同じように借地借家法により
制定されている借地権です

定期借地権は、他の二つの
借地権と違って

契約の更新をすることが
できません

契約期間が満了した場合は
建物を解体し

更地にして、地主に返さなければ
いけません

・契約期間
定期借地権(一般定期借地権)
契約期間:50年以上

※契約期間は、契約内容により様々な
ケースがあります

借地権付きのメリットとデメリット

◇借地権付き物件のメリット

まず、借地権付きの物件の
メリットとしては

まずは、安価であるという
ことがあげられます

土地を購入するときに比べると
価格を安く抑えることができます

また借地は税金に関するメリットもあり

不動産取得税や毎年の固定資産税
都市計画税などがかかりません

これらは全て地主が納め
借地の購入者には
課税されないのです

◇借地権付き建物のデメリット

借地権付きのデメリットとしては、
地代を払い続けないといけない
ということです

借地権の住宅は、購入費用が
安く抑えられたり

税金面の免除などのメリット
を受けられる為

メリットは大きいのですが
精神的な面で

地代の支払いを気持ち良く
思わない人が多いようです

・銀行融資をうけにくい

借地権付きの建物は、土地が
所有権ではなく他人の土地に
なっている為

担保価値が下がり、銀行から融資を
受けるのが難しくなることが
あります

また、旧法借地権での場合は
土地を借りる権利が強い為
融資を受けられることも
あります

借地権に対して銀行の融資は審査が
厳しい場合や

融資額に制限が出ることもあります
購入前にしっかり確認
しておきましょう

・売却・譲渡・増改築・リフォーム

借地権は、売却、増改築、
リフォームする時には

その都度、地主からの承諾を
得る必要があり

場合によっては、承諾料や名義書換え料など
手数料がかかることがあります

地主とのやり取りがめんどくさい
お金がかかる事は避けたい

と言って地主の承諾を得ないまま
ことをすすめてしまうと

借地の契約を解除
されてしまうこと
もあります

気をつけましょう

最後に

借地権付きの住宅は、購入する費用を
抑えられるうえに

税金もかからないという魅力も
ありますが

購入後に始まる、地主との関係
借地件付き住宅の売却や
相続など

将来のことまで、しっかりと考え
検討したうえで購入できれば

その後、後悔をしない
良い決断になる
ことでしょう